2011年8月13日土曜日

赤い靴底はルブタンのもの? 米裁判所は認めず

フランスの靴ブランド、クリスチャン・ルブタンが、赤い靴底は同社のトレードマークだとして競合ブランドのイヴ・サンローラン(YSL)の製品販売差し止めを求めていた問題で、米ニューヨークの連邦地裁はルブタン側の申し立てを退ける決定を言い渡した。ルブタンは「ラッカー塗りの赤い靴底」の商標を登録しており、YSLが販売している4種類のパンプスについて、ルブタンの商標権を侵害しているとして6月に販売差し止めを申し立てた。ルブタン側は、「あの鮮やかな赤を見れば誰もがルブタンを思い浮かべる」(ルブタン側弁護士)と主張していた。
米連邦地裁のビクター・マレロ裁判官は10日に言い渡した決定で、ルブタンの赤い靴底はそれまでの業界の常識を覆し、「容易に認識され、記憶される独特の印象的な」製品を作り出したと認めた。しかしルブタンが「赤い色」について商標権を主張するのは「範囲が広すぎ、商標登録の現実にはそぐわない」との判断を示した。
YSL側の弁護士は、「そもそもこの商標登録は認められるべきではなかった」と話している。 世界中の女性からあこがれを集め、歌手ジェニファー・ロペスが歌にするなど有名人にもファンの多い靴ブランド、クリスチャン・ルブタン。パリ市内のアトリエで創設者のデザイナー、ルブタン氏にインタビューした。ルブタン氏がデザインする靴は、高いヒールと赤い靴底が特徴。「ヒールはそれ自体が工学だ」と語る。(CNN.jp 2011.08.12 Fri posted at: 12:30 JST)


商標は、意匠のようにデザインそのものを保護するものではなく、あくまでその商標に蓄積した信用を保護するものなので、形式上その指定商品についての登録商標の使用に該当しても、商標的態様の使用であると認められなければ、侵害は成立しません。

サンローラン側の靴の画像を見ると、確かにルブタンのものに似ていなくもないとは思いますが、はたしてその使用態様は、商標としての使用なのかどうか。

やはり商品のデザインは原則的には意匠権で保護されるべきで、あまり商標権の範囲を拡大すべきではないと思います。

ただ、意匠権は一定期間で保護が打ち切られるのに対し、商標権は更新手続きさえすれば原則的には永久に続きますから、商標権での保護を求めるわけですね。


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2011年8月6日土曜日

下町ロケット・感想

遅ればせながら、池井戸潤・著「下町ロケット」、読了しました。

実は、私の父も、ロケットに関する仕事をしておりました。

バルブではなくボディで、種子島でなく内之浦でしたが。

そんなこともあって、読んでいていろいろうるうるとしてしまいました。

父は私が物心ついたころには、企業から大学に戻っていましたが、主人公も、もし、社長でなかったら、株式を売却し、大学に戻ったかもしれないなあ、とか、思っちゃいました。

本当にたくさんの要素を詰め込みながら、一気に読ませるすばらしい作品だと思います。

弁理士としては、一部出願手続き等についての表現で、校閲が不十分に思える箇所がありますが、そんなことは、この作品の価値を減ずるものではまったくありません。

でも、刷を重ねているのだから、どこかで直してくれないかなあ。

版元のご担当者、ご連絡いただければ、具体的にご指摘いたします。
もっとも、とっくに誰かが投書しているかもしれませんね。

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