2011年11月28日月曜日

弁理士試験答練答案の「古典的文体」


弁理士試験の答案練習会の添削を少しやっています。

今年の合格者の平均年齢が36.5歳であることから考えて、答練参加者の大半はお若い方だと思うのですが、たいへん気になることがあります。

それは答案の文体なのですが、一つの長い文章に、いろいろと盛り込んでいっぺんにやっつけようとするせいで、文章の中で論旨が混乱したり、要件が不十分であったりするのです。

そういう文体についての的確な表現を、浅田次郎著「極道界」の中から見つけました。

「(前略)文節が終わりそうになると無理矢理接続詞をねじ込んで、いたずらに文章を長くする。(中略)このような難解な長文体というものは文章学的に言えば、すでに大正時代の前半に消えて無くなったはずの、古典的文体なのであります。(後略)」

これは、警察及び刑事裁判関係の文書について述べられているものです。
つまり逮捕状、供述調書、起訴状、判決文主文などです。

1980年代末に書かれた文章ですが、その時点で「文章感覚は最低70年ぐらいおくれている」とされています。

弁理士試験受験生の皆様には、くれぐれもそのような文体を避けてほしいと思います。
1文を短く、改行を多くして、シンプルで読みやすい答案を心がけてください。

答練の添削者が読みづらいということは、本試験の採点官にとっても読みづらいのです。

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