2013年1月27日日曜日

センター試験になぜ小林秀雄?

1月24日の朝日新聞デジタルによると、今年のセンター試験で、国語の点数がかなり低かったようです。

原因は、あの「小林秀雄」からの出題のせいではないか、とのこと。

しばらく控えられていた小林秀雄の出題が解禁された理由として、予備校関係者の談話が載っていますが、どれも抽象的というか、明確ではありません。

ここで、私なりの推測をさせていただくと、昨年の10月に、丸谷才一さんがなくなられたからではないのか。

丸谷さんは、「完本 日本語のために」の中で、国語教科書や入試問題を批判していますが、その「ⅴ 大学入試問題を批判する」に「小林秀雄の文章は出題するな」があります。

くわしくは同書をお読みいただくとして、丸谷さんは小林秀雄の文章自体を批判しているのではありません。
小林秀雄を出題する側の能力や姿勢を批判しています。

私も最近読み直してみて苦労しましたが、大変な教養人である小林秀雄は、読者のレベルも自分と同様の教養人を想定していて、引用や比喩のレベルが高すぎてついていけなくなることが往々にしてあります。

幸い、今はネット情報が充実していて、また、スマホからも検索できるので、多少は楽が出来るのですが、頭脳に対してウエート・トレーニングをしているような気分になりました。

じっくりと時間をかけて出典を調べたり、読書会を行うなどしながらならともかく、難解な文章のましてや断片を、限られた時間の中で解答する受験にはなじまないと思います。

出題者自身が、どれほど小林秀雄を理解しているというのか。
多少なりとも理解していれば、受験に出そうとはしないと、私は思います。

ご意見番がいなくなると、悪問復活では、受験生が気の毒です。


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