2011年7月30日土曜日

「入れ墨は著作物」無断掲載の著者らに賠償命令

彫物師の手による入れ墨が著作物にあたるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京地裁(岡本岳裁判長)は29日、「作者の思想、感情が創作的に表現されており、著作物だといえる」との判断を示した。その上で、入れ墨の写真を無断で掲載した本の著者と発行元の「本の泉社」(東京)に計48万円の損害賠償を命じた。
原告代理人の弁護士によると、入れ墨が著作物として認められたのは異例。
訴えていたのは、東京都の彫物師木村洋勝さん(49)。2001年に千葉県内の男性に依頼され、写真をもとに十一面観音立像の入れ墨を左太ももに彫った。07年にこの男性が本を執筆した際、表紙カバーに入れ墨の写真を使ったため、「著作者の権利を侵害された」と主張していた。
出版社側は「入れ墨は写真の単なるまねに過ぎない」と主張したが、判決は「構図の取り方や仏像の表情に創意工夫があり、技法を凝らしている」と認めた。その上で、掲載にあたり木村さんの名前を表示せず、写真をセピア色に変えたことが権利侵害にあたると判断した。(asahi.com2011年7月30日8時46分)

 この写真の著作物の著作権者である写真家が出てくると、もっと面白くなるんですがねえ。
写真家が彫り物師を訴えることができますから。
写真家は、刺青の写真を掲載した本の著者と、出版社を訴えることもできます。
著作権・著作者人格権の効力は、二次的著作物にも及びますから。

この場合、被告側は、当該写真の著作物が、創作性のない単なる模写であるから侵害に当たらない旨を主張することになります。
でも、仏像は立体なので、写真には何らかの創作的な面があるのが普通ですから、その主張は認められにくいと思いますが。

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